「敏感肌にセラミド一択」はウソ・ホント?オイルとタッグでうるおい鉄壁肌へ

この記事の監修専門家 杉本由美さん

どんな化粧品を使っても、季節や環境が変わっても、これといった肌トラブルがなかった20代。でも年齢を重ねるとともに化粧品がしみたり、日によって肌がムズムズしたり、敏感になったことはありませんか?

花粉やPM2.5、黄砂など、敏感肌を招く要因が増えています。美容オイルでシンプルにケアして、刺激をはね返すうるおい肌を目指しましょう。まずは敏感肌の肌状態からチェック!

敏感肌の原因はセラミド不足だけじゃない!?

肌が刺激を感じやすくなるのは、肌の一番外側にある「角層」のバリア機能が低下するため。その原因としてよく知られているのが、セラミドの減少でしょう。

肌の内側を守るセラミド

健やかな肌の角層は、角層細胞がレンガ状に積み重なっています。この構造を強固にしているのが、セラミドなどの細胞間脂質。レンガを密着させるセメントのような役割で、角層細胞どうしの隙間を埋めています。

セラミドが少ない肌は角層がスカスカになり、水分は逃げやすく刺激は侵入しやすい状態に。肌が炎症を起こして、ヒリヒリ・ムズムズなどの反応が現れます。また炎症によって炎症性物質が放出されると、肌細胞にダメージを与え、シミやシワの要因になる可能性があります。

セラミドの量は生まれたときがピークで、年齢とともにゆるやかに減少。だからといって「セラミド化粧品で補えば解決!」というわけにはいかないのです。

セラミドだけでは肌の外側を守れない

なぜなら肌のバリア機能は、外側と内側の両方を守ることで働くもの。セラミドは角層の内部に浸透することで効果を発揮するので、肌の外側を守ることはできません。外側の守りを担うのは、皮脂と汗が混ざり合ってできる皮脂膜。つまりセラミドと皮脂の両方がそろわなければ、バリア機能は正常に働かないのです。

肌を強くする皮脂の質を気にしていますか?

美しい肌は「セラミドで内部を満たし」「皮脂膜で外敵から守る」という両方の機能が働くことによりかなっています。

皮脂膜はセラミドとタッグを組んで、水分蒸散と刺激の侵入を防いでいます。セラミドが角層の内部で働くのに対し、皮脂膜は肌表面をムラなく覆ってバリアを形成。いわば、お城を敵から守る第一関門です。

ところが皮脂の分泌量は20代をピークに減り始め、40代になると急激に減少。質も悪化してドロッとするため、皮脂膜がムラになります。第一関門の役割を果たせなくなり、次々に刺激が侵入。セラミドを与えるだけでは立ち向かえなくなるのです。

年々不足するセラミドを補うために、セラミド化粧品が人気ですよね。でも商品によってはセラミドの配合量が少ないものがあるので、セラミド化粧品への過信は禁物です。

だからこそ敏感肌の対策は、セラミドと皮脂膜の両方のケアが重要!上質な皮脂膜を作るのに有効なのが、美容オイルです。

皮脂コンディションを整えるのは美容オイルだけ

皮脂とは「油分」のこと。油分を補うのは乳液やクリームにもできますが、美容オイルはこれらに比べて油分の割合が多いのが特長です。そのため油分の質が皮脂膜に近く、肌によくなじんでバリア機能を高めてくれます。

動物由来のオイルは特有の臭いが気になるものもあるので、初めて使うなら植物由来オイルがおすすめ。サラリとしたテクスチャーで使いやすいですよ。

敏感肌にはシンプルケアができるブレンドオイルを

植物由来オイルにはオリーブ果実油やツバキ油、シア脂、ローズヒップオイル、アルガンオイル、サボテンオイルなどさまざまな種類があります。さらに1種の原料でつくられた単一式オイルと、いくつかのオイルを組み合わせたブレンドオイルがあります。

ブレンドオイルの魅力は、ムラなく伸び広がる上質な皮脂を追求してブレンドされている点。より肌になじみやすく、保湿力・保護力アップが期待できます。化粧水の後はブレンドオイルだけでも十分うるおいが続くので、スキンケアがシンプルに。

あれこれ塗らないシンプルケアは、刺激成分にヒットするリスクが下がるメリットもあります。必要以上に肌に触れなくてすむので、摩擦刺激も低減できますよ。

海外産が多い美容オイルですが、「日本人の皮脂の質」を追求したブレンドオイルもあります。日本人の肌にやさしくよりそうブレンドオイルで、シンプルに効果的に、負けない肌を育みましょう!